UD・工芸研究会のバス見学会

昨日、静岡県工業技術研究所のUD・工芸研究会が年に一度開催するバス見学会が有りました。
この企画はすでに10年以上続いていて、この研究会のメインイベントです。
日頃は講師を招いて勉強会をしているのですが、この見学会は研究会のメンバーが各メーカーの製造現場などを視察することで幅広い知識を身に付ける事が目的です。今年の参加者は24名でした。

最初の訪問先は、当研究会の会員でも有るヤマハリビングテックさんです。

浜松にあるこちらの施設には私も何回も足を運んだ経験が有ります。
これまではショールームでの新商品発表会などが主な訪問目的でしたが、今回は工場内部を見学させていただくとの事で大変興味がありました。
正面玄関を入ると、サッカー2002年ワールドカップの時のメンバーのサインが書かれたユニフォームが展示されていました。

説明会場ではプレゼンターの林さんが、ヤマハの物づくりをご自身の想いも重ね合わせて熱く語ってくれました。
その語りかけは皆の心にしみる大変感動的な話でした。文明と文化を比べながら、文化を創造していくことこそが企業の価値を高める方法であると教えられました。

工場ではヤマハが命を掛けていると説明を受けた人工大理石カウンターの製造ラインを見学しました。邸別にすべて受注生産される様は印象深い光景でした。
その後、キャビネットのラインも急遽御願いして見せていただきました。これにも快く応じていただき、ショールームでは様々な特徴を現物で確認するなど、よく考えられた見学行程でした。工場内は撮影禁止ですので写真は有りません。

工場を出発する際には、プレゼンターの林さんがバスの中に来て一人一人と握手を交わし、見送っていただいたことは、このメーカーへの信頼度を更に増す結果になったことは言うまでも有りません。


昼食の後、次の訪問先は掛川市倉真にあるヤギモクのキコラです。


研究会のメンバーは家具や介護用品など様々な物づくりのメーカーが多いため、木材に関する興味も多く、住宅の中でどの様に銘木が活用されているのかを、店内の展示ブースを見ながら説明しました。
ここでの説明はブースをデザインした私の担当です。


見学会最後の訪問先は、静岡市高松にあるD&DEPARTMENT PROJECTさんでした。


ここはデザイナー・ナガオカケンメイ氏が過去のロングライフと言われるデザインを再発見して、5つの基準で選択し、販売をするショップです。それぞれの地方の特徴を加え、これまで多くの60年代のデザインを中心に復刻させてきました。店長さんからレクチャーを受けた後店内を見て回りました。





懐かしいデザインの中には日本の物づくりの原点が見える物も多く、デザインが使い捨てされる現状に警鐘を鳴らす素晴らしい取り組みだと感じました。


ヤギモク 遠藤