我が家のクレマチス

クレマチスの季節もそろそろ終わりに近づいてきました。

我が家のサンデッキにも毎年美しい花を咲かせているクレマチスたちが居ます。



そこに今年は新顔が仲間入りです。

この子です。

名前は「弥一」くんです。

この鉢は私が通っているギター教室にレッスン会場を提供している、芝原農園さんの芝原彌一(しばはらやいち)さんにもらいました。芝原さんももちろん教室の生徒の一人です。実はその芝原さんがこのクレマチスの生みの親なのです。
品種の固定をして何年にもなるとの事でした。
先日どうやって新品種を固定するのかと聞いてみました。
そしたら「クローンを使うんだよ」、と教えてくれました。

なるほど、そうだったのか・・・・目からウロコでした。
種から育てると、中学で習ったメンデルの法則で、様々な色や形の花が出てきます。
しかし、クローンなら、良い花を咲かせるツルを切って挿し木にして増やすことが可能です。

品種登録はどうなっているのか聞いたところ、登録するのにかなりの費用が掛かるのでしていない、とのことでした。
インターネットで見ると市場にはすでにこの品種が販売されています。

そこで気が付いたのですが、芝原さんの名前は「彌一」なのになぜクレマチスは「弥一」なのか本人に聞いたところ、最初は「彌一」だったが、一人歩きしていつの間にか「弥一」になった、との事でした。
おおらかな話です。

我が家に養子に来たこの「弥一」君は残念ながら今年は花が咲きませんでした。
どんな花が咲くのか気になってネットで画像を調べたら、こんな花だと言うことが判りました。
これです。

来年が楽しみですね。

しかし、このクローンという技術は、ワイン用の葡萄の栽培に大変良く使われます。

昔、ローマ軍が遠征するときには、多くの兵士がカバンに葡萄のツルを持って出かけたそうです。
ユリウス・カエサルガリア戦記で有名なケルト人の部族長、ウエルキンゲトリクス(発音がおかしいかもしれません)とのアレシアの戦いでもローマ軍は沢山の葡萄のツルを持っていったに違いありませんね。
その地域は現在のブルゴーニュですから。

もちろんカエサルの時代に「ピノノアール」が有ったわけではなく、長年の品種改良の末にロマネコンティーに代表される素晴らしい赤ワインを生み出すこの品種ができたのですが。

葡萄は同じ品種でも、育てる土地によりできるワインが変化します。この地域性の事を「テロワール」と呼んでいます。そして、新しい畑に葡萄を植え付けるときには、まず様々な種類を挿し木して、その畑で一番良く成長した株をクローンで増やすのです。

クレマチスから、どういう訳か葡萄の話になってしまいましたが、いくらクローンと言っても、芝原さんの品種の固定の努力も相当な物であったと思います。まずはステキな花を咲かせる株を作らなければならないからです。

身近にこの様な素晴らしい「想い」を持った人がいる事に感謝ですね。
来年はぜったい咲かせます。

ヤギモク 遠藤