UD工芸研究会バス見学会・その1
先週末の9月9日〜10日の2日間、静岡県工業技術研究所のUD工芸研究会の年に一度のバス見学会が開催されました。これまでの見学会は日帰りであったため遠隔地には行けませんでした。しかし今回は初めて1泊2日の日程での開催となり、これまで熱望していた飛騨高山の家具メーカーと家具組合の展示会を見ることができました。
最初に訪れたのは「飛騨・世界生活文化センター」という施設です。
ここでは「暮らしと家具の祭典2011」が開催されていました。
会場にはいるとまず天井の木造トラスが目に入りました。すぐに受付の人に撮影許可を取り撮影しました。
上を見上げて喜んでいるのはどうも私一人のようでした。(笑)
中には14の会社グループがそれぞれのブースで自信作の展示をしています。
今回工場見学を予定している「柏木工」さんや「飛騨産業」さんなども大きなブースを出していました。
両社ともヤギモクとは以前より取引があり、現在は掛川の「キコラ」で製品が購入できます。
奥の方には同時開催の「飛騨のクラフト展」が開催されており、個人の作品が多く並んでいました。
その中でおもしろいスツールを見付けました。
これは飛騨産業の社員さんの國定さんという職人さんが造ったものです。
(写真はいちいち許可を取って撮影しました)
その隣にあったブースでは、今は職人さんの技術が途絶えて新規に製造ができなくなってしまった家具も展示されていました。
これです。
このテーブルの足を4方に開いて曲げる細工が現在ではできないそうです。
貴重な技術が衰退していくのは残念だとメーカーの方が言っていました。
小物のブースでは子供が喜びそうな木琴や積み木などがありました。
この木琴はファとシの音を抜いた「ヨナヌキ音階」、もうひとつは「琉球音階」で、子供が適当に叩いてもそれらしい曲に聞こえるので不思議ですね。
これらの商品は親ではなく祖父母が孫に買ってあげる事を想定した単価だと、説明してくれた人が話していました。
木琴が1万円、犬の積み木セットが2万5千円ではちょっと親では買えませんね。
私も孫ができたら買ってあげたいと思いました。
屋外のふれあい広場では会員企業の匠達が集まり、手加工の楽しさを伝えるワークショップをやっていました。
じっとそばで見ていたら「ちょっとやってみませんか?」と声を掛けられましたが、時間がないので参加できませんでした。(涙)
これは木挽きのろくろですね。原始的な構造です。
隣接のミュージアムには1/10スケールの朱雀門が目を引きました。手摺には法隆寺に見られる人字束など細部まで美しく再現されていました。撮影禁止なので写真はありません。しかし正面から見ると軒先のラインは総ぞりになっておらず、ちょっと残念でした。
ここには19世紀の曲げ木の発明者ミヒャエル・トーネットの資料と、日本に曲げ木が根付いていく記録が展示してあり、別の部屋にはイサム・ノグチの作品群が展示されていました。
また、飛騨の匠による繊細な組子細工があり、その驚異的な正確さと美しさには驚愕でした。
地下には手塚治虫プロダクションの使った撮影機材が有り、ちょっと記念撮影です。
なぜか、ニュートリノを発見するために造られた「スーパーカミオカンデ」の光電管もありました。現物を見るのは初めてでしたが、その大きさには驚きました。
これは浜松フォトニクスの製品ですね。
これらの内容をわずか1時間15分で見学するのはもったいない気がしました。
ヤギモク 遠藤