UD・工芸研究会の講習会

先日、静岡県工業技術研究所に於いて今年度第二回目の「UD・工芸研究会」が開催されました。
この研究会は、静岡県工業技術研究所のユニバーサルデザイン科と工芸科の活動内容に関連する有志企業約50社が集まり研究会を定期開催しているものです。

今回の講習会は「色や光の測定方法 及びその表現方法について=モノづくりのための測光・測色入門」と題して、コニカミノルタセンシング株式会社の小林氏を招いて、色にまつわる基礎知識の講座と実際に測色器を用いてのワークショップを開催しました。

まず最初の60分は基本的な色と光の講義でした。

単に色と言っても光源色と物体色とではまるで違います。光の場合は赤青緑が混ざると白色になりますが、物体では赤青黄が混ざり黒に近い色になります。
測光量を求める場合には目の見え方を考慮した値にしなければならず、物体からの放射量に標準分光視覚効率という式を掛けて全体を可視光域の380NMから780NMまでの範囲で積分した面積を取るのです。
それを機械で測定するために様々な工夫が有るようです。

L*a*b*系の表色系やL*c*h*系の表色系など、始めて聞く色の分布系に当てはめて、測定した色の位置をその系の中に設定し、複数の色の系中の位置を色差として距離で表すとの事です。

私たちは日頃多くの住宅部材を使用しますが、オリジナル部材の色の管理はいつも頭痛の種です。
何とか標準化ができないかとこれまで様々な観点から見てきました。
この様な機械での測定が標準的に行われるようになれば、色に関するトラブルも減らすことができるのだと感じました。


ワークショップでは、それぞれの企業が持ってきたサンプル部材の色の数値化を実際に行い、色差の測定を行ってどの様にしたらトラブルを避けられるか多くの質問が寄せられました。


ヤギモク 遠藤