ガーデニングワールドカップ・フラワーショー in長崎 その3

ショーガーデン部門の作品の内、その2で書き残したものを紹介します。

まずは日本人ガーデナーの石原和幸氏の「茶の庭」です。
これは銀賞とピープルズチョイス賞を受賞しています。
ピープルズチョイス賞とは見に来た一般観客から選ばれた賞との事です。



茶の庭と言うことで、あずまやから庭をめでる作品ですね。盛土した丘の頂上にあずまやが有りその脇から段々になった池に水が流れ下って行くと言う趣向です。あずまやは和風というわけではなく、地中海風ガゼボから多層に流れるビオトープの水面を見下ろす様なイメージですね。この数日前にNHKBSのエル・ムンドで氏が出演してこのイベントを宣伝していましたが、その時の表現がちょっと商業的で、この作品にもそんな感じが現れているような気がしました。


次も銀賞の作品です。
David Davidson氏の「アフリカより希望と平和へのメッセージ」です。

アフリカの強い太陽と草原の風景が印象的な作品です。
やりたいことをやった、という感じですね。



次も銀賞の作品で、Sarah Eberle氏の「調和の発見」です。



一連の作品群の中では、母屋から眺める庭として最もまとも?な作品だったと思います。
左右のバランスや周囲の高低差を上手く使い中央の池に視線を集めます。
正面の鏡と石材のオブジェには水がしたたり落ち、池からはスモークが出る凝りようです。
私はこれを見てなぜかホッとしました。他に比べて、普通に住宅へ取り込めるという意味で。



次も銀賞で、Jo Thompson氏の「Reconnection」安らぎを求めて・・です。


3本のオリーブの木の傍らを遊歩道が巡る構成で、低く設置されたオブジェはベンチとして座る事ができます。
中央の水盤にはLEDが埋め込まれ、組み込まれたプログラムに従い波紋を表現します。
奇をてらったオブジェを用いずにふわっとした柔らかな安らぎを表現しています。



銅賞ですがおもしろいのがこの作品です。
Jonathan Denby氏の「Mr.マクレガーの庭」です。
これはピーターラビットに登場するマクレガー氏の家の庭を再現したものです。



マクレガーさんが庭でピーターラビットがニンジンをつまみ食いしているのを見付けて怒っている様子です。
古き良きイギリスの湖水地方の風景を切り取った作品ですね。



最後にこれも銅賞の作品です。
Nico Wissing氏の「Garden + Hachi = ・・」です。



無限を意味する∞をモチーフにした作品です。二つのテラスが中央で交わり、それぞれ違ったくつろぎの形を表現しています。しかし同じ価値観で構成されている二つの輪が重なっただけ、と言った感じで、相対的な美の対比は見えませんでした。



これらの作品は、皆オブジェの奇抜さで個性を主張し合っている印象でした。
単なるオブジェの構成だけを考えれば、もっとやりようが有っただろうに・・と思う作品が多かったですね。
しかし、植物を使ったアートは奥が深く様々な表現が可能であることが判りました。
良い勉強になりました。

ヤギモク 遠藤