年間暖冷房負荷計算の社内勉強会 その2

先ほど実施計画課における今月2回目の勉強会を開きました。
テーマは前回に続き「年間暖冷房負荷計算」です。

まずは前回の復習から、建物外皮の断熱性能(熱貫流率)を計算する際に必要な知識です。
壁体などの「1次元熱流の仮定」による熱抵抗の直列和と、熱流の並列和の復習でした。
熱流と熱抵抗とは逆数の関係で、伝熱現象は等価電気回路に置き換えて計算が可能です。

九州大学の吉田駿教授の著書「伝熱学の基礎」では、まさに熱抵抗を伝熱学の基礎概念として展開しています。
(この本は結構お薦めです)

そしてSMASHなどの熱回路網計算の概念もやはり電気回路網と同じです。

まあ基礎的な話ばかりでは飽きてしまうので、この辺で年間暖冷房負荷の話に突入です。
簡単な説明の後、すぐに単純な形状のモデル住宅の入力です。本来SMASHでは直接数値情報を入力していくのですが、視覚的に理解しやすくするためのモデリングソフトが有るためこれを使います。ソフトは「AE−CAD」です。

3×4mの平屋、切妻の建物で、窓が2箇所のみ、玄関も無い様な超簡単なモデルですが、皆真剣です。
一通りの入力が終わり、SMASHデータにコンバートしようとしたときに、なんとエラー発生で作業が中断してしまいました。今回は普段使用しないノートパソコンにインストールしてのデモだったのですが、事前に動作確認をしていなかったため、最後の最後で結果が見れないという残念な結末で、2時間の授業はタイムアウトとなりました。(涙)

しかし一通りの入力説明で、モデリングの意味する所などを解説できたため、何とか全体の流れを説明できました。
次回はこの入力モデルを様々な気象データで計算して理解を深めた後、次世代省エネ基準をQ値μ値ではクリアできないきわどい案件の説明に移る予定です。

ヤギモク 遠藤