ユニバーサルデザイン・工芸研究会 23年度第四回講習会

先週、静岡県工業技術研究所で平成23年度最後の講習会が開催されました。

UD・工芸研究会では昨年夏から、わが社の製品に人間工学を生かそう〜「6ヶ月実戦マラソン」と題して半年間にわたり、日本人間工学会の全面支援を受けて、学会の先生方に研究会の会員企業の商品開発に具体的に関与して頂き、人間工学を生かした商品作りを支援してきました。
今回はその半年間の成果の発表です。
発表企業は以下の7社(敬称略)でした。

(株)カワイプロダクツ
メガトレンド(株)
(株)丸井商事
(株)ウエブサクセス
(有)共和工業
(株)マック
(株)AKAISHI

1社あたりの持ち時間は発表10分、質疑講評が10分の計20分です。

内容は、スポーツクラブ用ロッカーの開発、視覚障害者用機器の評価と開発、ウェブページの使いやすさ向上、高齢者用運動機器、コンフォートシューズの開発、サッカー審判員の教育用プログラムなど多岐にわたりました。
日頃の製品開発に人間工学的要素を取り入れた開発プロセスを組み込むことにより、後戻りの少ない開発スケジュールを進めることが出来るのも大きな利点です。人間工学では、人の特性や感性、認識力などの要素を元に様々な応用を導き出す事を目指します。その意味では、人の使うあらゆる製品の開発や評価が可能です。技術的に出来ることを積み重ねた商品開発ではなく、人に好まれる製品やサービスの開発が重要なのです。これはまさにユニバーサルデザインのコンセプトですね。

最後に、日本人間工学会 人間工学教育のあり方検討委員会 委員長の酒井一博先生がまとめの総括をしていただきました。
先生によると、人間工学を使い込むには手続きと方法がある。
まずは、現場へ行く、よく見る、現場の声を聞く、「歩、見、聞」が大切で、特に「アスキング」「直接観察」が大切だと教えていただきました。
シーズとニーズを合わせて、社会に役立つ製品(売れる商品)を生み出して下さいとの事でした。
更に今回の実戦マラソンは今年の6月までそのまま継続していただく事になりました。

今回の講習会で平成23年度のUD・工芸研究会の年間行事は終了しました。
毎回のイベントを支えていただいた静岡県工業技術研究所のスタッフの皆さんに感謝です。
24年度の始動は6月の総会からスタートします。これからも役に立つ研究会にしていきたいと思います。


ヤギモク 遠藤