長期優良住宅・先導的モデルの社内説明会

一昨日、藤枝ビュータウンの販売事務所に於いて、藤枝、榛南地区の営業を集め社内説明会を行いました。
これは今年度の国土交通省による、「長期優良住宅の先導的モデル事業」に当社が採択を受けた事から、いよいよキャンペーン販売を開始するためです。

今回の当社の提案内容はかなりアグレッシブな内容でした。
最大の特徴は性能表示の耐震性能を上回る強さを、県産木材や県産材合板を使って実現する事です。
現在の性能表示制度における耐震等級は最高で3等級までですが、当社の提案はこれを大きく上回る「耐震等級4」とも言える性能です。

具体的に言うと、建築基準法で定められた強度の1.75倍もの強さを、構造計算を使い1棟1棟実現するものです。


耐震等級2 : 1.25倍
耐震等級3 : 1.5倍
今回の提案 : 1.75倍(等級4に相当?)


ヒノキやスギなどの針葉樹合板はアピトン合板に比べ、軽くて柔らかく強度も低いため、一般的にはこれらを使った地産地消住宅は弱くなるのが普通です。
しかし、「地域材をあえて使うのだから、弱くなるのは我慢して欲しい」という様な言い訳はしたくありませんでした。
そこで耐力壁や接合部の試験を新たに行い、そのデータから許容応力度計算により、これまでの高強度住宅を更に上回る超高強度住宅を提供するわけです。

専門的に言えば、設計用地震力をC0=0.35で計算するのです。(普通は0.2)
先日東大の稲山先生にこの事を話したら、凄いですね、でも大変ですよ、と言われました。
大変は承知の上です。
環境問題さえ言葉に出せば、多少の事は許される的な地産地消住宅は、住む人にとってはかえって迷惑かもしれないからです。

長期優良住宅とは200年間使える住宅を目指す事からスタートしました。静岡では、その間に必ず複数回の巨大地震が来ます。現在の耐震等級3では、巨大地震後に躯体の修理が必要になる事から、複数回の地震に対しても余力の有る住宅を提供するのです。


今回の説明会では、ついでに木材の基礎知識もレクチャーしました。
これは定期的に行っている基礎講義の復習です。

* 含水率と木材の収縮、自由水と結合水
* 中温での乾燥と高温セット乾燥(ドライングセット)の違いと見分け方
* 木材の表面割れと強度について
* 構造計算における建物重量と地震力算定

予定時間90分でしたが、質疑対応をすると、やはりオーバーしました。(しゃべりすぎですね)