狭小間口の住宅・完成見学会

先日静岡市清水区の蒲原で、間口5m奥行き24mの土地に建つ2階建て住宅の完成見学会がありました。
江戸時代の土地の税金が道に面する間口の大きさで決まったため短冊状の細長い敷地が現在でもたくさんあります。この地域一帯でも同様の形をした土地が並びます。
この住宅のテーマは、間取りの工夫で幅方向の狭さを感じない設計でした。
2階建てと言っても、1階と2階の間に中2階の収納部屋(ハーフクローゼット)が入るため、層構成は3層です。そのため正面ファサードは縦長のシルエットになります。

奥行きの長いこの様な住宅の場合、構造的には地震力より側面側の風圧力の方が大きくなります。もちろん実際の立地では周囲の建物が風を防いでくれるので風で揺れるようなことはありません。しかし、建築基準法的には周囲の建物が無くなった場合でも自立できなければならないためです。
右隣の建物との間には、幅1mほどの2項外道路があり、部屋への採光はそちらから取り入れています。


玄関を入るとオシャレなニッチが目を引きます。


脇の洋室には堀座卓式の机が有ります。趣味のスペースですね。


居間は畳座リビングになっています。この様な床面へ直接座るライフスタイルはスローライフの流行と共に見直されてきました。

正面にはTVボードが造り付けられており、TVを置いた上部の空間が間延びしないように縦のラインをアクセントに入れています。インテリアコーディネーターの知恵ですね。


室内はヤギモクオリジナルカラーのダークレッドで統一されています。
これはオーセンティック・モダンの為に開発した色調で、深く渋い赤色がレトロの中にもモダンなイメージを加えています。


フローリングもナラのダークレッドです。もちろん無垢材です。


室内ガラスドアもヤギモクオリジナルです。


ドアハンドルのオニキスがキレイです。


中二階には収納の為のハーフクローゼットがあります。
これは高さ1.4mの空間ですが、収納としては充分です。


2.5階部分の寝室の窓は床から天井までオーバーハングで外へせり出しています。
その部分をカウンターにしています。

窓ガラスに張られた見学会の文字が目立ちますね。
実はこのU様邸は蒲原駅のホームからよく見える位置に有り、駅の利用者にも見学会をアピールしたいと言う担当者の工夫の跡ですね。たぶん。

そのため、大勢の見学者にご来場いただきました。ありがとうございました。

設計は小林君、コーディネーターは佐藤さんでした。

建物裏では静岡ガスさんのご協力で、B級グルメ日本一になった「富士宮ヤキソバ」を、来場者の為に鉄人が無料で振る舞っていました。暑い中ありがとうございました。
実は私も頂きました。美味しかったです。