静岡県工業技術研究所平成23年度研究発表会

本日、工業技術研究所で今年度の研究発表会が開催されました。
これは年に一度開かれる催しで、研究所全体の活動内容を一人1件を15分間でプレゼンテーションするものです。
全部で35もの発表が行われました。

会場は二つあり、私はA会場の方へ行きました。すでに要旨集を片手に大勢の人が集まっていました。

私はいつもお世話になっている「工芸」と「ユニバーサルデザイン」の発表を聞きました。

・屋外利用を目的とした県産木材の耐久性向上技術の開発
   立木に直接木材保存剤と寸法安定剤を注入すると言う大胆な実験です。
   浜北の森林林業研究センターも共同で参加しています。

・スツール設計における構造解析技術の応用の検討
   スツールの設計に有限要素法の構造シュミレーションを導入するための基礎実験と評価です。

・木製品に適した非破壊検査の開発
   足物家具の接合部などの打音をフーリエ解析して内部の状態(接合部の剛性)を推定する技術です。
   今後、試験体の破壊特性との相関を取って、安価な非破壊検査の基礎データにしようとするものです。

・姿勢保持・矯正を目的とした新規ポジショニングクッションの開発
   車椅子での円背(老人性の背骨の湾曲)にターゲットに絞った姿勢保持に有効な特殊クッションの開発。

・入浴用リフトの姿勢保持具について
   入浴介護の負担軽減の為の器具を様々な工夫で不安感の無い快適な器具とした物。

・観察記録結果に基づくユーザビリティ評価の可視化
   この研究所で開発されたオブザーベントアイというシステムを使い行動観察記録を簡単に取りながら、
   更にその内容を判りやすいグラフで可視化すると言うユーザビリティー評価のツール開発。

・シリコンゴム製自立補助具の開発
   県立子供病院とのコラボで、シリコンゴムを使用した自立支援の為の補助具類の開発。

この後でパネルセッションが行われ、ロビーの展示スペースで実際の製品や試験体を見ながらそれぞれの説明をじっくり聞くことができました。

立木の寸法安定剤注入実験の断面です。ブルーの色は可視化の為の染色剤です。
辺材に綺麗に注入されているのが判ります。

車椅子用のクッションです。開発者の櫻川さんが自ら実演です。

 
私も使わせていただきました。もうすぐ本当に必要になったりして(汗)。

地域の企業や研究機関と合同で沢山の開発や研究が行われています。
私は午後に会議があったので、残念ですがこの後の発表を聞くことができませんでした。

多くの地元企業が頼りにしている研究所ですから、これからも精力的な活動を維持して欲しいと願っています。
できることなら県の予算をもっと投入して更なる高度な開発ができるように人数も増やしていただきたいですね。

ヤギモク 遠藤