Journal of Timber Engineering 100

本日、私の手元に木質構造研究会の100号記念特集号が届きました。

30年前の1981年に創設された「木質構造研究会」は今年で30周年を迎えます。
そして、その機関誌である「Journal of Timber Engineering」もこの3月号で100号となりました。
この木質構造研究会は、安藤直人現会長のもと、ますます発展をしています。
多くの学術研究者や企業研究者の努力により継続してきたこの活動から生まれた多くの成果の上に、現在の日本の木造建築が存在していると行っても言いすぎではないと思います。

私がこの会に初めて出かけたのはもう10年も前になるのでしょうか。
その後しばらくして会員になり、昨年末には初めて研究発表をさせていただく事もできました。

長い間事務局を運営する事は大変な事だと思います。
私が在籍する東大の木質材料学研究室がこの重責を担って来たことは、研究室の一員として誇らしいことであり、更なる発展を目指して行きたいと、この機関誌をみて強く感じました。


今回の100号では、138人の木質構造の関係者が寄せ書き形式でそれぞれの思いを述べています。
恥ずかしながら私も投稿させていただきました。

木質構造は、伊勢湾台風の直後の建築学会で非難の対象になり、長い間、教育、開発などの基礎分野が停滞する時期がありました。しかし、日本の住宅の事実上のスタンダードである木質構造が再評価され、地道な研究により多くの知見や基準の整備がなされ、昨年には「森林・林業再生プラン」や「公共建築物の木材利用に関する法律」が施工されるに至り、本来の地位を取り戻しつつある状況です。

私たち木質構造を扱う企業、研究者達の拠り所として、木質構造研究会は更なる飛躍を遂げて欲しいものです。

昨年の木質構造研究会の様子。


ヤギモク 遠藤