ポータブル原木材積測定システム

本日の木材新聞に大分県の瀬戸製材さんの記事が載っていました。

この「ポータブル原木材積測定システム」は瀬戸製材さんの社長の瀬戸享一郎さんがずっと開発を進めて来た新技術です。瀬戸さんは私が通う東大の木質材料学研究室の一年先輩で、修士課程の授業も一緒に受けていた仲ですので、この様な記事が掲載されることは私にもとてもうれしい事です。この技術は彼が修士論文でも扱った内容で、現在博士課程でもこの技術の開発を行っています。
実は昨日も研究室のゼミが有り、3人の発表者のトップバッターが瀬戸さんでした。(私は3人目でした)その時の発表もこのシステムの開発状況でした。

伐採された木材の材積を測定するには、丸太一本一本にメジャーを当てて、JASの末口二乗法で計算して出します。もしくはログスキャナーが設置されている場所まで持っていき、そこで測定する必要があります。
しかし、現在では合板工場などの需要家へ、山から丸太が直接運ばれる事も多く、伐採現場での材積の測定が求められてきました。最近では最先端の林業機械(ハーベスタ)などに材積を自動測定する装置もありますが、それらは大変高価で、まだまだチェーンソウが活躍する日本の山では普及が難しいのが現状です。

この装置は、トラックに積み込む際に、グラップルで掴んで束にして、そのまま小口を装置に向け、リモコン操作で写真を撮り、装置付属のノートパソコンで画像処理を行い、材積を記録する優れ者です。

将来的には、GPSや丸太の小口の年輪などを情報として取り込み、木材供給のトレーサビリティーにも貢献する事が考えられます。

是非、これからも期待したいですね。


ヤギモク 遠藤