東大での実験

先週20日から23日まで農学部5号館地下にある実験室にこもり実験を行いました。
私が修士課程の時から研究している木造住宅用高強度面材耐力壁の合板接合部分のせん断実験です。

オートグラフを使ったこの実験にはこれまで、静岡県工業技術研究所、静岡大学など近場の設備をお借りして実施してきましたが、今回はホームグランドである東大農学部での実験です。

これが今回の主役の島津製作所製100KNのオートグラフです。

まずは事前に送ってあった取り付け治具と試験体を2階の研究室から地下まで運び、さっそく治具の取り付けです。
そこで最初からトラブル発生です。取り付けボルトが上手くはまらず時間だけがどんどん過ぎていきます。

下部のアダプターを取り付けた後、何とか上部の引張り用アダプターも取り付け、やっと実験が可能になりました。

治具の取り付けとオートグラフの使い方指南は修士2年の落合さんが助っ人で応援してくれました。
ありがとうございます。

今回の試験体は全部で10体です。テスト用も加えると11体になります。
3日間の予定でしたが、初日は試験体の取り付けだけで終わってしまいました。
変位計を裏表に2箇所取り付けるのですが、これも細かな部品がないため上手くいきません。
仕方なく翌日朝、近くのホームセンターに行き変位計にピッタリのねじ付きヒートンとくさりを購入して何とかセットできました。

次は試験体の密度測定です。

一連の準備も終わり試験体の残りすべてを組み立てます。

前回は母材と合板の間の初期摩擦力が大きく出てしまったため、今回は間にテフロンフィルムを挟んで望みます。

結局2日目の午後になってやっと1体めのテスト用試験体の実験ができました。

今回は単調加力のみで1分間2ミリのスピードです。
繰り返し加力ではないので早く終わりますが、試験体の治具への取り外し取り付けの繰り返しになるため、1試験体に1時間以上掛かります。

すべての試験が終了したのは3日目の夜の7時でした。
ギリギリでセーフでした。
このオートグラフは翌日も予約が入っているため、もし間に合わなければ翌週に再試験となる所でした。
最後までつきあってくれた落合さん、ありがとうございました。

28日のゼミの中間発表に向けてデータの処理とプレゼン資料をやらなければなりません。
ハードスケジュールです。

データ自体はまあまあの値が取れたので、まとめも順当な結果になりそうです。

実験室の片隅には昔使われたであろう面内せん断試験用の装置らしき物がありました。

この時代はおそらく加力も手動の油圧ジャッキだったと思われます。歴史を感じますね。


まあ、これからデータ解析に突入です。
がんばります。

ちなみに、以前のオートグラフでの試験の様子です。
http://d.hatena.ne.jp/aldy/20110616/1308193610


ヤギモク 遠藤