東海・東南海・南海 3連動地震

先月末(3月31日)に内閣府から「南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高について(第一次報告)」が発表されました。これは昨年末に同府より発表された「中間発表」を受けて、新たに震度分布や津波高さなどの予測計算をおこない発表されたものです。
静岡県では、この中間発表に対応し、独自での計算を行うことをすでに表明していましたが、国の発表が改めてこの様な形で示されると、これまでの「第3次防災計画」を早急に見直しする必要が有ると感じます。
もちろんこの速報は翌日の地元静岡新聞の一面を飾りました。(4月1日朝刊)

3連動地震とは、東海・東南海・南海の海溝に沿って伸びる地震発生エリアで起きる地震が同時に起きる巨大地震を指しますが、この図からも、昨年起きた東北太平洋岸の地震の連動とかなり似た状況に有ると言えます。


今回の発表によると、地震の想定はかなり広範囲になり、これまで東海地震が単独で起きるとしていた静岡県の想定とは大きな違いが出ています。
資料では地震の起き方毎の震度分布を4つのケースに分け、それに経験的手法の震度分布を合成し、最大クラスの震度分布としています。これによると、これまでの2003年中央防災会議の発表に比べ、震度7のエリアが300平方キロから7000平方キロに拡大されています。(内閣府資料より)

更に津波では11のシュミレーションを行っていて、それらから最大規模を割り出して発表しています。これも静岡県の沿岸にこれまで以上の大きな影響が出ることを予想しています。

静岡県は東西に長く海に面しているため、関連する市町村も多く、今回の発表に対し大きな反響が有りました。

そこで、この3連動地震は本当に起こるのか?・・が気になります。
過去の地震の資料を調べたのか下表です。

これは私の2年後輩の木造建築コース修士課程2年の柳澤泰男さんから先日頂いた自作の地震年表とウィキペディアなどを参照して作製した物ですが、これを見ると、過去に東海地震が単独で起きた記録が本当に無いのです。また東海地震空白域の後には、必ず連動型の大きな地震が発生している事が判ります。
これを見る限り、3連動地震を大げさな架空の話として軽視することは出来ないと思います。
とにかく、私たちに出来ることは、これらの想定を元に最善の対策を立てていくことだと考えます。

ヤギモク 遠藤