CLTによる小型木造ユニットハウス

先日の木材新聞に網中木材さんの記事が載っていました。
網中さんは東大農学部木造建築コースの一年後輩で、今年の春に博士課程に進学した木場の木材会社の社長さんです。


記事の内容は、網中木材さんでCLTを使った小型のボックス型の建物を販売すると言う物です。
これは規格型で幅3600、奥行き2400、高さ2500(㎜)で、ドア、窓2ヶ所、換気扇、照明がついて1ユニット85万円です。


この商品の名前は、「アミーゴ・ハウス」と言いますが、いつもの網中さんの雰囲気をそのまま表現したようなネーミングで、記事を読んでいて楽しくなりました。木製ですから、スチールに比べ温熱環境的にも良好でしょうし、素材のやさしい雰囲気など、木の持つ利点が評価されるとうれしいですね。

CLTとはクロスラミネーテッドティンバーの略で、ヨーロッパで最近脚光を浴びている新たな木質構造パネルです。
これは製材された木材を幅方向に接ぎ合わせ、直行させて3層にしたもので、厚さはこれまでの合板などに比べかなり厚いものです。
ヨーロッパではこの素材を用いて7層程度の中層建築物に利用する動きがあります。
日本でも最近これらの技術を使い中層建築物に使用するための研究が進められています。
2月に国総研などが行った3階建てCLT建築物の実大振動台実験の様子です。

http://d.hatena.ne.jp/aldy/20120215/1329297223

これらを見てもCLTの高い強度を使い、これまでの木造では難しかった規模の建物を比較的容易に建築出来る日も近いと感じます。
しかし、まだ日本での中層建物の実績は無く、普及させていくためには生産ラインの構築と製品の使用用途がまず必要です。
そのためにもこのようなユニットハウスはそれらを解消するきっかけになるかもしれません。
記事では、安藤先生も同様の事をおっしゃっています。


ヤギモク 遠藤