建築技術

ウォールスタットとシーデクセマのコラボ

先日の木材新聞に興味深い記事が載っていました。 記事によると、NPO法人シーデクセマ評議会は、CEDXM(シーデクセマ)とウォールスタットの連携に向けた開発を行うと発表しました。CEDXMとは、木造軸組工法住宅に関する建築意匠CADとプレカット生産CADのデ…

粘弾性体を用いた合板耐力壁の動的特性 その2

前回に続き今回は、N50釘より一回り太くて長いCN65釘を用いた試験を見てみましょう。 試験体のスペック、試験方法は前回を参照下さい。 http://d.hatena.ne.jp/aldy/20121022/1350885646 この試験体はCN65を@80㎜で留め付ける為高倍率になる壁です。 まずテ…

粘弾性体を用いた合板耐力壁の動的特性

先日資料を整理していたら以前試験した合板耐力壁による制震工法の試験データが出てきました。 これは耐力壁の合板と柱の間にテープ状の粘弾性体を挟み込んで釘打ちすると、家全体の等価粘性減衰常数が増大し、速度依存による剛性も高まり結果として等価耐力…

UCACO研究会参加

先日UCACO研究会に参加してきました。(UCACO ← ユカコと読みます) (Uniform Conditioned Air Configureation System:均一に 調整された 空気の 配置 システム) この研究会は、建築研究所の理事長の坂本雄三先生が提唱する、「床下チャンバーを使った全…

3連動地震の津波

8月30日に内閣府から、南海トラフ巨大地震「東海・東南海・南海3連動地震」の被害想定が発表されました。これは3月末に発表された被害想定をもう少し詳しくした内容です。地元の静岡新聞にも大きく報じられました。なんとその最大死者数は32万3千人…

第134回 木質構造研究会 その2

研究会の3人目の発表は「木造耐火による高齢者福祉施設の事例紹介」で発表者は吉高総合設計コンサルタントの吉高氏でした。 この建物は昨年9月に竣工した香川県の特別養護老人ホーム「かざみ鳥」です。 バルコニーを含む床面積は3591㎡で、ツーバイフ…

第134回 木質構造研究会 その1

8月10日に東大農学部の弥生講堂で木質構造研究会があり、参加してきました。この研究会はすでに30年以上続くもので、会長と運営事務局は私の所属する木質材料学研究室が担当してきました。 これまで多くの木質材料に関わる技術や知見が発表され、木造の…

床勝ち面材耐力壁の試験 その3

静岡県農林技術研究所から先日おこなった床勝ち面材耐力壁の試験成績書が送られてきました。 これにより床勝ちの合板耐力壁の壁倍率の試験値が決まりました。結果として、床勝ち真壁仕様が3.7倍、大壁の床勝ちエピオス仕様が4.8倍となりました。 この数値に…

床勝ち面材耐力壁の試験 その2

面内せん断試験の2日目は昨日の続きからです。 林業技術研究所は朝から猛暑で、絶好の耐力壁試験日和?です。 この木造の試験棟が太陽の熱で溶けそうな気がしますね。昨日の疲労が残り若干筋肉痛ぎみで、朝から多少歩き方がぎこちない私でしたが、そんなこ…

床勝ち面材耐力壁の試験 その1

今週は浜松市にある森林・林業研究センターで、2日間に渡り面材耐力壁試験を行いました。 ここはいつもお世話になっている場所で、担当の池田さんともずいぶん長いおつきあいです。 今回の試験は、真壁仕様の2.5倍(告示1100号)とヤギモクオリジナルの4.8…

建築研究所見学 その3 様々な施設

ポルターガイストの次に見学したのは竜巻のシュミレーション装置でした。 これは1/100〜1/500スケールの建物の模型を使った、気流と建物の関係を調べる装置です。 まあ、原理はこんな感じです。 ファンの直下には建物の模型が置かれます。 この模型…

建築研究所見学 その2 誰もいない室内でドアやカーテンが動く・・ポルターガイストか?

LCCM住宅の次に見学したのはこのありふれた3階建てのRCの集合住宅でした。 この見学会の案内メールに「ポルターガイスト」の文字が有ったのですが、どうやらこの建物の中に「それ」は居るらしい、との事です。 玄関を入ると狭い廊下が有り、典型的な公団型…

建築研究所見学 その1 LCCM住宅

昨日、日本スマートハウス協議会のメンバーの皆さんと一緒に、つくば市にある建築研究所を見学しました。 4月にこの研究所の理事長に就任された坂本雄三先生が直々に所内を案内していただけるとの事でとても楽しみにしていました。 研究所に着くと理事長室…

要素試験

先週静岡県工業技術研究所で、私の研究テーマである面材による高強度構面のための要素試験を行いました。 4月初旬に9㎜合板の試験を行いましたが、今回は15㎜、28㎜とこれまでより厚い面材の試験でした。 使用した試験機はいつもおなじみの島津製作所…

五月祭 フォリーの組み立て

コンペで選ばれた2作品の製作が始まり、連休が明けてから私も応援に行きました。 私が手伝ったのは「フクヤマ織物」の作業ですが、すでに部材の切り出しが終わり、製作用架台も出来ていました。 その台の上で細く裂いた合板を編み込んでHPシェルのパーツを…

五月祭 設計コンペの結果

4月24日の夕方、五号館105教室でコンペのプレゼンテーションが開催されました。 私はその日の3時から外せない会議が有ったため、午前中に模型と仕様書のみを研究室に届けに行きました。 研究室では、皆それぞれの模型の制作中でした。毎年このコンペ…

五月祭 設計コンペ 「木質構造による3次元曲面」

今年の五月祭のフォリーのテーマは木質材料を使った3次元曲面です。使用できる材料は4m以下のディメンジョンランバー、流通サイズの構造用合板、ビスなどです。このテーマが発表されてから丁度2週間後がコンペのプレゼンテーションとなります。 毎年木質…

CLTによる小型木造ユニットハウス

先日の木材新聞に網中木材さんの記事が載っていました。 網中さんは東大農学部木造建築コースの一年後輩で、今年の春に博士課程に進学した木場の木材会社の社長さんです。 記事の内容は、網中木材さんでCLTを使った小型のボックス型の建物を販売すると言う物…

LIXILの構造計算サービス

先日の木材新聞に、LIXILさんが4月から構造計算の新たなサービスを提供するとの記事が有りました。 高耐震でも自由な窓設計が可能とのキャッチコピーでした。 サービス名は「スマートスケルトン」です。 このシステムの強みはなんと言っても窓がとりつく部…

東海地震第4次被害想定 策定会議

昨日静岡で、東海地震の第4次被害想定策定会議の初会合が開かれました。 これは昨年末に内閣府から公表された、東海・東南海・南海3連動地震の震源域や地震規模をマグニチュード9とするなどの中間とりまとめに呼応して静岡県独自で実施するプロジェクトで…

CLTによる3階建て実大振動実験

先日の木材新聞にCLTを使った振動台実験の記事が載っていました。 これは国総研と防災科学技研、日本システム設計がおこなった実験で、実行委員長は静大の安村先生です。CLTとはクロス・ラミネーティド・ティンバーの略で、乾燥製材を直行させて貼り合わせた…

第15回木質構造研究会 技術発表会

先日東大の弥生講堂で木質構造研究会の技術発表会が2日間の日程で開催されました。 今回の発表は全27報でした。昨年は私も修士論文の発表前に研究の要旨をこの場で発表しました。 今年の技術報告集です。 まず報告集の目次を見ると、昨年は東大の発表が7…

耐力壁ジャパンカップ2011 その3

いよいよ私たちのチームの対戦になりました。静大・ヤギモクチーム板壁2号(左) 東京都市大学大橋研究室、初代ユキヒロ(右) 対戦に先立ち、それぞれの壁のプレゼンタイムが有ります。 まずは我が板壁2号の説明です。これは私の担当でした。 柱と壁には…

耐力壁ジャパンカップ2011 その2

2日目の参加チームすべての組み立てが終了した後、くじ引きによりその日の対戦組み合わせを決めます。 くじ引きの結果は以下です。1番目の対戦 ハウスプラス住宅保証 HPW05 finale 東工大 坂田研修室 格子再考(最高) 2番目の対戦 静大・ヤギモクチーム …

耐力壁ジャパンカップ2011いよいよ本番 その1

10月8日〜10日に掛けて、3日間に渡る「耐力壁オタク」の祭典「第14回木造耐力壁ジャパンカップ」が開催されました。今年の会場は富士宮にある日本建築専門学校です。我が「静大・ヤギモクチーム」としては地元の大会であるため良い結果を上げなけれ…

耐力壁ジャパンカップ2011要素試験

耐力壁ジャパンカップもいよいよ今週末に迫ってきました。 そこで昨日、静大で要素試験を行いました。 今年の耐力壁は、昨年の「板壁1号」に引き続き「板壁2号」としました。 昨年は桧のCLP(クロスラミナパネル)をアラミドベルトで足元固定して臨みまし…

土壌の熱伝導率

平成22年に土壌の熱伝導率の指針が追加され、それまでの0.7w/mkが0.58〜1.74w/mkと幅のある数値になりました。しかしIBECの省エネ基準の解説と計算の手引きにはそこから先が書いてありません。住宅性能評価・表示協会の温熱評価研修会テキストに対…

耐力壁ジャパンカップ2011いよいよ始動

先ほど、今年度の耐力壁ジャパンカップの第2回目の打合せがありました。 今年も静岡大学とのコラボです。チーム名は「静大・ヤギモクチーム」です。 今回は私が考えた案をベースに静大の小林さんがアレンジして進めることになりました。毎年応募要項が変化…

社内検査

先週末にO様邸の社内検査が有り、私も担当者の一人として現場へ行きました。 社内の検査は各工程順に行っていますが、関係者一同で立ち会い検査を行うのは最終段階の作業です。 工事統括管理責任者と担当者全員(現場監督、営業、設計、インテリアコーディネ…

巨大地震発生

ついにプレート型の巨大地震が起きてしまいました。 日本列島は4つのプレートの上に乗っています。そのためプレートの移動による地震が周期的に繰り返されます。 世界中で起こるマグニチュード6以上の地震のなんと20%が日本で起きているのです。宮城県…