フォレスト西川

一昨日の木材新聞に「プレカットの匠」として協同組合フォレスト西川さんの記事が載っていました。

埼玉県飯能市に有るこのプレカット工場は、私が通っている東大の木質材料学研究室の博士課程の同級生、大河原章吉さんが理事長を務めている工場です。地元の西川材を使い地産地消を推し進める地域型住宅供給の先駆者の一人です。
大河原さんはプレカット工場の経営を行う傍らで、不燃木材の研究やバイオマスペレット(バークを含む)の活用、木質素材ボードの開発など様々な事にチャレンジしてきた人です。以前、農学部の「バイオマス利用研究」という授業の一環で夏の一泊ゼミに参加したことが有りますが、視察先のバイオマス活用現場で、様々な取り組みを見学した際に、実際に取り組んでいるこれらの活動を側面から現実的な視点で私たち同級生に解説してくれました。常に山と直結した活動を展開しており、その言葉には大きな説得力が有りました。

記事によると最近ではオーダーメイドの家具づくりも始められたようで、ますます地域型住宅の幅を広げているようです。

木材供給の世界では、川の流れにたとえて、山での木材生産をする林業を川上、一般の工務店などエンドユーザーに木材を提供する住宅業界を川下、そして木材流通、製材業やプレカット業などを川中と表現します。それら「川の上・中・下」の業界人たちが積極的に協力し合うことが、地域型住宅による地産地消を実現する上で重要なのです。その結果、地域の山が守られ水源の確保、環境の保全がなされ海まで守る事に繋がるのです。

住宅に対する価値観が様々な広がりを見せる中、地域の活性化と地元の文化継承など多くの課題を住宅供給を通して支援する大河原さんの活動は大切にしたいですね。


ヤギモク 遠藤