UD・工芸研究会 第四回講習会

先日、静岡県工業技術研究所で今年度最後の講習会が開かれました。
今回の講習会は、講師に産業技術大学院大学の越水准教授をお招きし、ワークショップ形式でおこないました。
越水先生には以前、生産における不良率チェックに関する統計手法のワークショップを開催していただき、大変好評でした。


今回は、企業が製品開発する際に必ず行う性能実験での効率的な実験計画法がテーマです。


新製品を開発する際に、性能試験は欠かせません。
そのための部品の素材や使用する条件は多岐にわたるため、それらから最適な組み合わせを求めなければならないことは良くあります。
これをすべて実験で求めていては、数千通りの実験を必要とします。
そこで組み合わせに必要な各要素を「因子」として取り上げ、因子の数が1の場合は1元配置、2の場合は2元配置、そして3、4元と増えて行き多元配置となってきます。
因子数の多い組み合わせでは、実験をまともにやっていては、時間的、コスト的にも無駄が多く、実際不可能です。
そこで、統計手法を取り入れた直交表というツールを使い、実験数を劇的に減らす手法の解説を勉強しました。

まずは多元配置の表から、「ラテン方陣」とそれを使った「ラテン方格」を勉強し、それを使ったデータの分解式を理解します。

次に直交表ですが、L18直交表というツールを用いてデータ解析を行う訳ですが、具体的な実験事例からそのデータを表にプロットしていき、電卓で計算した値を参加者が発表していきます。
そして図示したり、最適条件の推定を行う訳です。

実際にやってみると意外と簡単なことに皆驚きます。
単に聞くだけの講習では無く、各自が電卓で計算しながら理解していくこの様なワークショップは、理解のためには大変有意義ですね。

最後に、静岡県ならではの、美味しいお茶の入れ方の最適条件の求め方を全員で体験して終了しました。

受講者はみんな、「目からウロコ」状態でした。(笑)


ヤギモクでは多くの実験を行い商品開発をしてきました。
その中で、エピオス工法の屋根や外壁の層構成をどうするのかを決める際に、組み合わせ実験をかなりたくさん行いました。
今回の直交表による実験計画をその時に知っていたら、実験数をもっと絞り込むことが出来たと思います。


越水先生の前回の講習会の様子です。
http://d.hatena.ne.jp/aldy/20110210/1297299255

ヤギモク 遠藤