オガールプラザ見学

木材学会初日の発表が終わった後、空いた時間で稲山先生が構造設計した「官民複合施設・オガールプラザ」の見学に行きました。
この施設は盛岡から電車で30分程度の紫波中央駅の駅前にあります。

駅前の広場に建設されたばかりのこの施設の周辺には真新しい住宅や駅舎が建ち並び、街全体ができたてほやほやの印象です。

当然駅舎も木造です。嬉しいですね。


建築物は床面積が3000㎡を越えると耐火建築物にしなければなりません。しかし木造で耐火構造とするためには様々なハードルがあります。

この建物は6000㎡ほどあるため、RCの耐火構造で建物を分断する事により、それぞれの区画を3000㎡以下として、燃え代設計の手法を使い梁を現しにした平面混構造の木造建築物なのです。


建物に近づくとカラマツの集成柱がお出迎えです。

ついついディテールが気になります。

この柱は真冬には半分ぐらいまで雪に埋もれるので大変過酷な環境ですね。
当然防腐処理材の集成柱ですが、やはりちょっと気になります。大胆な意匠ですね。

木造の2階部分は28mものロングスパンのマンサード型方杖付き2ヒンジ山形ラーメンです。
それを1.8mピッチで並べた架構です。

建物内に入ると全員上ばかり見上げながら歩きます。
みなつい嬉しくてニヤニヤしながら太い集成材の柱を触りながら、写真を撮りまくるため、周りの利用者の方々からは異様な光景に写ったことでしょう。


マンサード架構の開き止めとして鉄筋のブレースが入っています。

構造の説明を稲山先生から受けます。

今回の建物もコスト重視の構造となっていて、一般的な流通材を意識した加工しやすい設計です。
とても参考になりますね。

外部には付属施設がありますが、これも柱を斜材として使い水平力に抵抗する構造で、ドリフトピンで接合された様子は印象的でした。



この建物は、以前木質構造研究会で大型木造の設計例として発表された建物です。
http://d.hatena.ne.jp/aldy/20120813/1344828478


この様に実物を見ると、ヤギモクでもやってみたいという衝動に駆られますね。(笑)



ヤギモク 遠藤