稲山先生の現場検査

先日、裾野市で建築中の根上邸の建築現場に稲山先生が視察に訪れました。
この建物は施主さんが設計し、私が通っている東大木質材料学研究室の稲山教授が構造を担当した非常に特殊な住宅です。
先生からは、構造が確認できる段階で一度確認に来たいとの申し出が有り、現場を案内しました。

現場は養生のため、外部がブルーシートで覆われ、室内が薄暗い状態でした。
施主の根上さんにも意匠設計者として構造検査に立ち会っていただきました。

この建物の構造はとてもユニークで、南面には全く木造の壁がありません。
そのためRCの躯体に南面の木造の水平力を負担させ、両端の太い柱の曲げ剛性と北側の壁との剛性のバランスを取っています。
また、屋根は張弦梁を掛けて8メートルのスパンを支えています。




このフォークエンドは根上さんのアイデアで、張弦梁が将来垂れた場合を想定し、下弦材のロッドを締め直す機構を加えました。
ロッド先端のフォークエンド側が左ねじで、反対側の端部が右ねじになっています。
そのためターンバックルの原理で締め増しが可能です。

先生からいくつか指摘事項が有り、部分的な補強を加える事にしました。
全般的には良好で、施主さんには安心いただき、先生から現場の状況を大変褒めていただきました。


夏には研究室の学生をつれて見学に来るとおっしゃっていただきました。



建て方直後の状況です。
http://d.hatena.ne.jp/aldy/20130424


ヤギモク 遠藤