木質構造研究会

木質構造研究会に参加しました。急遽開催されたため、会場の確保が間に合わず、農学部7号館の教室で行われました。今回の会の目的は日本建築学会の木質構造運営委員会内で編集を続けてきた「木質構造接合部設計マニュアル」が完成し、そのお披露目の為でした。


講師はこの本の編集責任者である京大生存圏研究所の小松先生と編集委員の一人の東大木質材料研究室の稲山先生です。お二人が約2時間に渡りこの本の編集経過や各項目の説明を行いました。この本の作成には我が木質材料研究室の小林さん、蒲池さん、福山さんが助っ人で参加し、やっと出版にこぎ着けました。

内容は、木質材料や接合材料の紹介から始まり、各種接合部の設計手法とそれぞれの理論式と実データとの相関関係を分かりやすく載せたものです。添付資料として5章に掲載された「接合部設計の基礎」(堀江先生)と「モーメント抵抗接合を用いた門型ラーメンの解法」(稲山先生)はおまけと言うにはもったいないくらいの中身の濃い論文でした。最後に稲山先生もおっしゃっていましたが、今回出版された学会発行のこの本は、現在の木質ラーメン構造の設計根拠として、確認申請などの資料として極めて重要であり、おそらくバイブル的な本になるでしょう。

理論的な教科書ではなく、実務書としてのマニュアルを目指したとの事でしたが、かなり難しい内容なので、製作に関わった小林さん達に根掘り葉掘り質問して行こうかと考えています。(笑)
会場には木質構造の先生方が大勢詰め掛けていました。宮崎からは有馬先生も来ていました。


学会の本らしい?地味すぎる表紙