内壁仕上げ面 継ぎ手強度向上への試み

静岡県は昨年8月に震度6弱地震が有り、室内壁に小さなき裂が入るという現象が各地で見られました。建物が揺れた事による現象ですが、何とかその様なトラブルを減らせないかと考え、対策を検討してきました。問題はボードの動きをどうやって抑制するかです。その解決策の一つとして、ボードと柱との間に工夫を加えてボードの動きを抑制できると言う商品を見つけました。しかしメーカーに聞いても試験値は無い、との事でした。怪しい。。。 とまあ、それでさっそく実験です。

試験体は4体、対策有り2体、対策無し2体です。昨日製作したこれらの試験体を、本日さっそく工業技術研究所の万能試験機で試験してみました。



結果は対策をした試験体が40%程度の抑制効果が見られました。強度自体はそれほどの違いが出ませんでしたが、初期剛性はそれなりに高くなり、有る程度予想した結果となりました。会社に戻り試験体を分解して最終の破壊モードを調べましたが、両者は全く違う破壊モードとなり、実験は一応成功と判断しました。問題はこの結果をどう読み解くかです。動きを100%抑制する事など無理です。この程度でも可として、改善の為の対策へ進めるのか、更に別の方法を考えるのかです。悩みますね。


無対策のビス


ついでに、私の修士論文ネタ用の試験も一緒にやりました。今回は合板の小口面のめり込み荷重を調べました。こちらは合板の種類によりしっかり違いが現れ、数値も綺麗に取れました。