静岡県 森林・林業研究センター

今日は浜松市にある、森林・林業研究センターに行ってきました。4月から計画している共同研究の打合せです。以前も共同での研究はやっていましたが、ちょっと久し振りです。

ここは以前、静岡県林業技術センターと呼ばれていました。実験棟には島津製作所製の面内せん断試験機が有ります。静岡県内でこの様な設備が有るのは、静大農学部とここだけです。エピオスを開発する際にはしょっちゅうお世話になっていました。技術責任者の池田潔彦さんは木質構造の世界では結構有名で、東大の信田先生の基礎木材学の教科書の中にも池田さんが取ったデータが使われていました。



今回の共同研究は、県産木材と合板の各種試験を行い、耐力壁強度や各種接合強度などのデータを測定して、取れた成果は一般にも公開する予定です。

今、国産材の活用には追い風が吹いています。しかし、残念ながら木材供給業者や多くの工務店は「内地材はエコ」と言うイメージだけを売り物にして、それぞれの材料性能の事を真剣に考えているとは思えません。岡部町にある県森連の乾燥工場がこの春にやっとJASの認定を受けます。新JASになってから県内では初めてです。やっと供給側の設備が遅ればせながらでも徐々に整いつつある中で、使用する側の環境はまだ整っているとは言えません。

構造計算に利用可能な県産材の基礎データが不足しているのです。しかし、これらの試験データが仮に有っても、確認検査機関がそれらのデータの利用を拒否する様な状況です。許容応力度計算の詳細計算法でさえ、オーソライズされているはずなのに使用不可です。一般のビルダーがもっと設計や計算のレベルを上げて声を上げていかないと、いつまで経っても変わりません。今回の様な活動がもっと広く一般に普及していけば、多少は変わってくるのだと信じたいですね。



この木はセンターの敷地内に有る「センペルセコイア」です。スギ科で世界最大規模の木です。大きくなると高さ100m、直径が8メートルになります。重さも一本で数百トンです。キコラに植えたメタセコイアの仲間ですね。