日本建築学会

今年の建築学会は富山大学五福キャンパスで9月9日から11日までの3日間開催されました。



記念行事、講演、パネルディスカッションなど多くのイベントが開催されました。

記念行事        6
パネルディスカッション 41
学術講演        6790
会場数         77箇所


特に学術講演は多くの分野にわたり様々な発表がありました。

材料施工        667
構造Ⅰ         477
構造Ⅱ         598
構造Ⅲ         709(木質構造310を含む)
構造Ⅳ         461
防火          174
環境工学Ⅰ       586
環境工学Ⅱ       720
建築計画Ⅰ       596
建築計画Ⅱ       186
農村計画        118
都市計画        527
建築社会システム    216
建築歴史・意匠     462
海洋建築        48
情報システム技術    44
教育          29
建築デザイン      172


これらの学術講演は一講演当たり発表5分、質疑応答3分の合計8分間です。
よほど上手くまとめないと発表が終わりません。
中には2〜4本程度の連報(続けてひとつのテーマを掘り下げる講演)もありますが、それでも内容が多いため時間調整が大変です。


私は9日10日の2日間講演を聴きました。
東大木質材料学研究室関連のトップは、建築研究所の河合直人先生がトップバッターに立った「木造3階建て軸組工法住宅の設計法と振動台実験」と言う13本に及ぶ連報で、今年ドクターを卒業した小林さんと、マスターの落合さんが7,8番目でした。
高岡でお寺見学をしていたため午前のこの講演に間に合わすため、富山駅からタクシーで大学まで駆けつけ、何とか二人の発表には間に合いました。会場に入ったら満員で立ち見状態でした。私たちは当然一番うしろで立ち見です。このセッションの司会は福山さんでした。私の隣には宮崎から来られた有馬先生がいらっしゃいました。

稲山先生はパネルディスカッションとの掛け持ちで大変忙しそうで、ギリギリまで発表内容を調整していました。

構造で特におもしろかったのは、森林総合研究所の3題の連報で、杉の柱、土台で、目視等級、機械等級、密度分類それぞれの耐力壁試験の結果を比較する報告でした。7.5㎜の針葉樹合板耐力壁とLVL筋違耐力壁を比較した結果、耐力的には等級や密度での差は余り見られなかった、との興味深い報告でした。この講演では、終わった後に廊下で色々と意見が飛び交っていました。ヤギモクにとっても、今後の商品開発の判断材料?でしょうか。


今回の学会では、木質構造分野と温熱環境分野を聴講しました。
温熱環境では会場に入ると住宅の熱負荷というセッションで北海道の北方建築総合研究所の鈴木大輶先生が司会で、砂川建築環境研究所の砂川さんが発表されていました。お二人ともしばらくぶりでした。


会場は人であふれ、昼食時には大学の食堂に長い列ができていました。

午前中に発表の終わった小林さんと落合さんは、ホッと一息でしょうか、とてもリラックスしていました。


ヤギモク 遠藤