耐力壁ジャパンカップへの道 その3

いよいよ、壁オタクの祭典「耐力壁ジャパンカップ」が始まりました。10月9日から3日間の日程です。私たち「ヤギモク・静大チーム」は予選2日目からの参加ですので、会場の「ものつくり大学」に到着したのは9日夜でした。

当然1日目の対戦は終了しているかと思いましたが、セッティングの遅れでまだ対戦が続いていました。

その対戦を横目で見ながら、とにかく部材を搬入。重量オーバーしていないか、計量をおこないます。まるでボクシングの対戦の様です。また、データシートの変更点を申請しなおしです。
その後、仮組みチェックをしました。しかし軽くはまるはずのほぞが硬くてはまりません。組み立ては制限時間1時間ですが、15分以内に梁まで組み込まないと失格になります。そのため、ほぞが硬いと致命的です。
1日目の対戦が終了後、別室で皆がパーティーをしている間、私たちは会場の隅で必死でほぞ削りです。

やっとほぞがスムーズにはまるようになりました。雨が降っているので木材の含水率が上がったことも原因のひとつです。

翌日は朝から作戦会議です。使用するビスの数を最終決定しました。

小林さんはビス類の準備です。

いよいよ組み立ての時間計測競技です。
組み立てには人数の決まりは有りませんが、少ない方が総作業時間が短くなり、総合点で有利になります。
我が「板壁1号」は壁の部材が重いので、4人で臨みます。
緊張の一瞬ですね。

全員でかけ声を掛けた後、いよいよ組み立てスタート。

何とか完成です。約28分掛かりました。完成の記念撮影です。(笑)

壁の足元はパラ・アラミドのベルトで緊結します。


隣では京大の小松研究室チームが組み立てをしています。

会場内では岐阜の金子さんが材料の最終確認です。

組み立て時間計測の終わった壁は、横の仮置き場に並べられ、出場を待ちます。


いよいよ10日の第一試合、東大山口・金子チームと京大小松研究室の対戦です。

結果はジャッキを引ききり、変形量の差で東大チームの勝ちでした。

京大の壁は大きく変形しました。
この壁は杉の圧縮材を使用して、非常に高度な造りをしていましたが、くじ運が悪く1回戦敗退になってしまいました。最大荷重は30.77KNでした。この強さなら、他の壁と対戦していたら勝てたでしょう。


我がヤギモク・静大チームの初戦は秋田職能短大です。
対戦前に壁の説明の為のプレゼンがおこなわれます。
私は壁のコンセプトを、小林さんから技術面の工夫を説明です。
今回の板壁は、梁以外すべて静岡県産桧を使用しており、真壁住宅にそのまま使えるデザインを目指しました。
非常に高倍率の耐力壁になるため、伝統木造系の建物には良いアイテムだと思います。

結果は、我が板壁1号の圧勝で終わりました。


相手は筋違の下部で柱が折れました。
最大荷重は9.69KNでした。


その後、早稲田チームとハウスプラスさんの対戦です。
これは逆転で早稲田の新谷研究室の勝ちでした。(右側)

15.28KNでした。この早稲田チームが私たちの2回戦の相手に決定です。


1回戦がすべて終了して、いよいよ2回戦です。
2回戦の相手は先ほどの早稲田です。能面の切り込みが特徴です。

毎回プレゼンが有ります。

結果は板壁1号の勝利でした。

最大荷重は20.28KNでした。

これで何とか2回戦を突破です。初出場ですから大変良い成績ですね。


この後、いよいよ準決勝に進みます。さて、どうなりますか。


ヤギモク 遠藤