第15回木質構造研究会 技術発表会

先日東大の弥生講堂で木質構造研究会の技術発表会が2日間の日程で開催されました。
今回の発表は全27報でした。昨年は私も修士論文の発表前に研究の要旨をこの場で発表しました。

今年の技術報告集です。

まず報告集の目次を見ると、昨年は東大の発表が7報と多かったのですが、今年は2報と少なく、京大の発表は昨年の1報に対して今年は5報と多かったのが目を引きました。

我が東大からの発表は、マスター1年・小川佳寛さんの「LVLで構成されたストレストスキンパネルの曲げ性能」とドクター2年・瀬戸亨一郎さんの「画像解析による原木材積測定器の実現化への取り組み」でした。
これらは木質材料学研究室のゼミでも発表されている研究ですので私にはおなじみの内容でした。

京大は小松先生が来年退官される事もあり、研究室の発表が非常に活発でした。
その中で今年と昨年の耐力壁ジャパンカップの耐力壁に関連した発表が2報有りました。これらは杉の圧縮木材を活用した物でしたが、京大は以前からこれらの技術を使い大変優れた耐力壁を出してきました。

会の途中で今年の「大熊幹章賞」が発表されました。
受賞者は、
手塚純一氏(J建築システム株)アラミド繊維を用いた木造住宅の耐震性向上技術の開発
谷川信江氏(セイホク株)大西裕二氏(宮城県庁森林整備課)杉単板を用いたLVL製造とその複合部材の開発
でした。

多くの研究者が取り組むこれらの基礎的な研究が、日本の木質構造の今後を切り開きます。
私も現在の研究成果をしっかりまとめ、早く学会での報告をおこないたいと思います。


ヤギモク 遠藤