第62回日本木材学会大会 in 札幌

先週3月15日〜17日まで、札幌の北大で今年の木材学会大会が開催されました。
私も今回は発表が有るため、直前までデータの整理や分析に追われていました。
所属する東大農学部木質材料学研究室からは19人が参加し、16人が発表しました。
昨年は京都でしたが今年は遠く北海道での開催なので前日昼に出発して18日に戻るという長い日程でした。
今回はゼミの旅行も兼ねての大会でしたが、多くのメンバーが個人の発表を抱えており、ゼミ旅行で恒例の木造建築見学などは最後になりました。

今回の大会が開催された北大農学部です。

広大な敷地にはなんと小川が流れています。

今回の大会は口頭発表340、ポスター発表305と言う数でした。
口頭発表のカテゴリーは全部で19に分かれていて、私たち研究室が発表したのは木質構造、木材乾燥、居住性、環境資源、保存の各分野でした。
私も参加した木質構造の分野では、全発表者44人の内11人が我が研究室で、京大小松研8人、靜大安村研4人と3大学で約半分を占めていました。
私の木材学会での発表は、以前に靜大で開催された中部大会以来2度目ですが、今回は本大会ですので資料の作成や発表練習などの事前準備が大変でした。
私は大会直前までデータの処理をしていましたが、なかなか本試験と要素試験から求めた計算値と測定値が合わず苦労していました。
直前になり再度要素試験をやり直して何とか数値が合いました。
そんな状態でしたので、14日の夜に札幌のホテルに着いて、翌日午後の発表練習までの間に発表用パワーポイントを作成するという強行軍でした。
発表練習の後、だめ出しをされた内容を再度作り直すのですが、なんとその夜は学会全体のパーティーが有り皆参加しなければなりません。
他のメンバーはけっこうくつろいでいましたが、私はその懇親会をウーロン茶でしのぎ、ホテルに帰ってから翌日の発表の資料づくりでした。(涙)

余裕の表情の若手ホープの面々です。


私の発表は「構造用合板による高強度構面開発のための基礎試験」です。
これは木造に応用できる耐力壁を含む鉛直構面や床などの水平構面に利用可能な技術で、非常に高強度な躯体を創るための物です。

発表の持ち時間は15分間で質疑も含まれます。
発表はパワーポイントに入れた表がなぜか一つだけ裏返し(?)になっていて慌てましたが、何とか無事終了です。
まあ、おおむね良好な発表?だったと思います。(笑)

今回発表した技術を早く実際の建物に応用できるように頑張らなければなりません。
まだこれから多くの苦労が有りそうですね。

発表が終わると重圧から解放され、夜は晴れてビールを飲むことが出来ました。
一週間ほど禁酒状態でしたので美味しかったです。



余談ですが、北大の広大なキャンパスには面白い立て看板が有りました。
ここではバーベキューではなくおそらく「ジンギスカン鍋」が主流なのかもしれません。

近くにはクラーク博士の胸像がありました。


この石碑の様に志を大きく持ち、よりよい木造住宅を目指したいものです。


ヤギモク 遠藤