藤井恵介先生の日本建築史

この日本建築史の授業では、藤井先生が毎回様々な大工道具を持ってきて生徒に見せます。
今回はヤリガンナ(槍鉋)でした。これは先週のチョウナ(釿)とセットで使います。

やりがんな(槍鉋)

ちょうな(釿)


まず切り出した木材の繊維方向にくさびを打ち付けて割り、その後チョウナ(釿)で荒く削り、その後仕上げでヤリガンナ(槍鉋)を使いました。

チョウナは柄の部分が大きく曲がっていいるのですが、実はこの柄が貴重で、大工は代々柄の部分を譲り受けるとの事でした。

15世紀頃(室町期)にオガ(大鋸)と呼ばれる二人挽きのノコギリ(鋸)が使われるまで木材の仕上げはこれらの道具を使っていました。

15世紀からは、丸太をオガ(大鋸)で挽きその後でカンナ(鉋)を使って仕上げます。この様に15世紀頃に大工道具や工法が大きく変化しました。

くさびで割る打ち割り法は太くて繊維のまっすぐな木材しか製材できませんでしたが、オガ(大鋸)とカンナ(鉋)であればケヤキやその他の広葉樹も仕上げることができました。

このヤリガンナは先端が鋭い刃になっており危険なので教室内を回さずに、希望者のみ授業後に見せて貰いました。

今回の授業は、藤原京から平城京へと都が遷った後、桓武天皇の時代に長岡京に遷都するまでの話でしたが、遣唐使密教最澄空海の話がおもしろかったです。

現在お寺の本堂の図面を作成中ですが、この授業は軒下の組み物などの参考になり大変助かります。